消して、みる

金沢 寿美 [日本/韓国]

2018.04.11 - 2018.04.28

2009年から時折描いてきた「新聞紙の上のドローイング」。
これまでに描いた数百枚に及ぶドローイングを使いインスタレーションを展開する。

始まりはただの落書きだった。
政権交代という文字の横で嬉しそうに手を振る政治家の顔。机に転がっていた鉛筆でいたずらに黒く塗りつぶしていたら、思いがけずきれいなものが姿を現した。

新聞に書かれていることを黙々と消していく行為が、偶然にも星空のような画面を作り出していく。  
描かれたものが特別美しかったわけではない。ただ消失と同時に訪れたハプニングに思わず息を呑んだ。
街の明かりに埋もれた、肉眼では見えない無数の星を目にしたような感覚。
本当は“ 見ているはずの見えていないもの”が自分の眼前に立ち現れたようだった。 
 
作品は日常を覆う“いつもの時間”をゆっくりと消すことで、私達の世界にある“見ているはずの見えていないもの”を浮かび上がらせる。

プロフィール:
1979年兵庫県生まれ、韓国籍。
近年では、「影⇔光」(川口市立アートギャラリー ATLIA/埼玉)、「-東アジアの夢-Bank ART Life IV 2014横浜リエンナーレ連携プログラム」(Bank ART Studio NYK/ 神奈川)、「ペンニョン島 525,600 時間のインタビュー展」(Incheon Art Platform / 韓国)などの企画展に参加。

展示期間 2018年04月11日(水) - 2018年04月28日(土)
展示時間 12:00-19:00(最終日 last day 17:00まで) *(月)(火)休廊 Closed :Mon, Tue
展示場所 Studio 3
作家HP https://www.sumi-kanazawa.com/