大阪在住のドイツ人アーティスト、カトリン・パウルによる遊工房での3度目の個展。前2回の展示は、黒(闇)と光をテーマにした写真による展示であったが、今回は空間を使い、食塩・水・紙を素材としたインスタレーション作品となる。パウルは、アナログ写真の現像過程を意識した作品制作を試みている。時間のかかるプロセスである。また、アーティスト本人の作品制作の行程以外に気温、光、湿度などの環境的要素が、作品制作に影響する。現像後の扱い方しだいで作品が台無しになるという繊細な制作過程は、写真のアナログ現像のそれと類似している。パウルが長年馴染んできたプロセスそのものである。記憶が蘇り、新しい素材へと移行する。違う次元への移行と言えるだろう。2つ目の作品群は紙につけられた歯型である。パウルは毎日その日の自分の課題を済ませたあとに紙を噛み歯形をつける。 1日の終わりにつけられた歯形からはその日のアーティストの精神状態が読み取れる。そしてそれが作品として独立して展示されたとき、その勢威材的な暴力性と美しさに観客は驚かされるだろう。

展示期間 2009年11月26日(木) - 2009年12月06日(日)
展示場所 GALLERY