かつての画家が、空気遠近法によって描かれる画像に可能性をみたように、今の僕は、「えらぶ」「なぞる」「わすれる」「とじる」を繰り返す事で訪れる画像(描く画像)に可能性をみています。これらの今を生きる為のさまざまな方法論を、絵画のプロセスへと昇華し実践するというアプローチは、絵画史の中でも常に試みられてきたきわめてオーソドックスなものだと感じています。しかし、僕にとって絵画を描く事が無根拠から始まったことを考えると、方法論から始める事が唯一真っ白な画面と向き合う方法だったのだと思います。ただ、方法論に終始し今を生きていること以外を放棄するのではなく、あくまでも絵画を実践する為の技術として採用し、そのフローの中でも常に、いかに描いていくかということを、執拗に判断し続ける必要があると思っています。今回の展覧会では、これまでの風景画(『テサグリの図画』や『燃える家』)ではなく、新たに肖像画(『ぼくらはみんな生きている』、『像画』)のシリーズを展開する予定です。

展示期間 2009年09月01日(火) - 2009年09月13日(日)
展示場所 GALLERY