俯瞰する樹形図」ステイニングの技法によって描き始める、この現代社会から感じ取った形態の定まらない希薄な空虚なイメージは、色彩と筆触を幾層にまた多角的に重ね合わせることの連続により、次第に原型とは全く異なる予期せぬビジョンへと変貌を遂げる。この歪曲と侵食の作用の反復は、今日私の感じざるを得ないこの時代への暗澹たる懸念そのものを暗示しているように思われる。樹木が光に向かい枝葉を伸ばし、地中に向かい根をはるように、私も絵画という厚みの無い構造の中に根をはり枝葉を伸ばす俯瞰する樹形図の表現構造の中に、画一化する世界の構造の皮膜を越えて異なる視点の中で描いていくべき必然性と、今日の社会に蔓延る負の時代精神への闘争の表明としての絵画の可能性に挑戦したく思う。

展示期間 2009年05月07日(木) - 2009年05月24日(日)
展示場所 GALLERY