古くからの伝承の中に「件(くだん)」という半人半牛の姿をした怪物がいる。牛から生まれ、人間の言葉を話すとされている。生まれて数日で死ぬが、その間に作物の豊凶や流行病、旱魃、戦争など重大なことに関して様々な予言をし、それは間違いなく起こるとされている。今回私が暗澹たる今日の社会に対し感じざるをえない危機的な状況を、「件」という半人半牛の姿をした怪物の伝説に例え、「極彩色の獣告」展と題したいと思います。「件」の不吉な予言は、もはやあらゆる日常に存在し、それは間違いなく起こるのでしょう。門田光雅は、ステイニングの技法を用いて絵画制作を展開しています。画布に広がっていく鮮やかな色彩と絵の具に混ぜられたカーボランダム(研磨砂)の濃密重厚な質感とが、溶け合いとぶつかり合いを繰り返し、形態の定まらない空間性が、観るものに不思議な感覚を与えてくれます。

展示期間 2007年05月17日(木) - 2007年05月27日(日)
展示場所 GALLERY