2016.10.01 - 2016.11.30

ラデック・ブロウシル

私の作品は写真やオブジェ、インスタレーションの間を揺れ動く。
私は特に写真機材に焦点を当てており、全ての写真家にとって必要不可欠な材料に関心を持つようになった。それらは一般的に、最終ショットの中で無形で不在なものである。
このように、写真の現実とその想定は絡み合わされている。
それ以外の目に見えず、実態のないものの増大した具象の執着は、以前の題名のないシリーズから展開している。そこでは、時間の流れの中で出合った、ごく普通のものによって素材の要素が欠如した日常的なものを写真に収めた。
私は椅子やカーテンまたは楽器などを、基本的な組み合わせ理論に従って、異なるバリエーションの中に秩序づけ、それに伴い常に新しい文脈の中で多様な対話の可能性をつくった。
新しいシリーズ”The Ultimate Norm(最高基準)”では、カラー写真における技術改善について掘り下げている。−白人のエンジニアによって開発された技術的装置の初期設定が白い肌に偏っている。これは一見技術的なことのようだが、実際は非常に社会的で普遍的な問題である。
写真の色バランスは、フィルムの中の異なる化学物質の濃度によって決まる。つまり、80年代であってもアナログ写真技術におけるフィルムトーン調整は、西洋の白い肌をうまく表現するために設定されており、黒い肌を持つ人々を視覚化するには十分な感度ではなかったのだ。
デジタル技術が普及した後も、依然技術的な欠点は未解決のままである。また、企業からの強い需要として、チョコレートや木など様々な異なるトーンのものを適切に広告しなければならず、写真産業の研究改善はやむを得ないものとなった。
長期にわたって、私は写真媒体の分析に焦点をあててきた。
シリーズ作品や展示の度に、私は写真に関わる疑問の繁茂を通り抜けて歩む。
滞在中は、先述したシリーズを繋げるため、私の創造的思考の基礎原理を取り上げるつもりである。写真産業における生産と事業戦略に焦点を当て、ヨーロッパとアジアの文化的差異をリサーチしたい。

滞在期間 2016.10.01 - 2016.11.30
滞在場所 AIR-1
作家HP http://www.brousil.name/intro.php